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徒然なるままに...

②書籍紹介「睡眠こそ最強の解決策である」

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前回は「睡眠不足が及ぼす影響とは何か。」について取り上げました。

今回は「理想的な睡眠時間とはどのくらいか。」について本書をご紹介いたします。

 

睡眠時間はどれくらいが最適なのでしょうか。その前に、人が起きたり寝たりするのに影響する2つの仕組みを説明します。それは、外的リズムと睡眠圧というものです。

外的リズム

外的リズムとは、人の脳に備わっている24時間の体内時計のことです。この体内時計は、脳の視床下部にある視交叉上核という部分が司っています。この視交叉上核は、日光や暗闇などの外部からの刺激を受けて、体に覚醒や睡眠のサインを送ります。

例えば、朝に目が日光に当たると、視交叉上核が体に「朝だよ」というメッセージを伝えることで、代謝や体温が上昇し、体が活動モードになります。逆に、夜になって暗くなると、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され、体に「寝る時間だよ」というメッセージを伝えることで、体が睡眠モードになります。

このように、外的リズムは、日中のどの時間帯に目が覚めて、どの時間帯に眠くなるかというサイクルを決めています。図で示すと、人によって個人差はありますが、だいたい昼12時頃に最も覚醒し、夜12時頃に最も眠くなります。

これが、起きる時間と寝る時間に関係する仕組みの1つ目です。もう1つの仕組みは、睡眠圧というものです。

睡眠圧

睡眠圧とは、起きている時間が長いほど、眠りたいという欲求が強くなる仕組みです。

睡眠圧の原因は、アデノシンという物質です。アデノシンは、体のエネルギー源であるATPが分解されるときに発生する副産物で、睡眠物質と呼ばれます。アデノシンは、起きている時間が長くなるほど脳に蓄積されていき、眠気を引き起こします。

睡眠圧は、朝起きたときには低く、寝る直前には高くなります。そして、睡眠によってアデノシンが排出され、睡眠圧がリセットされます。

これが、起きる時間と寝る時間に関係する仕組みの2つ目です。ここで重要なのは、外的リズムと睡眠圧の差が大きくなると、人は眠くなるということです。

例えば、十分に寝た朝は、睡眠圧が低く、外的リズムによって覚醒しているので、頭がスッキリしています。一方、夜11時頃になると、外的リズムによって眠くなり、睡眠圧も高くなっているので、眠気が強くなります。逆に、昼寝をすると、アデノシンが減ってしまい、夜になっても眠れなくなることがあります。

では、これらの仕組みを踏まえて、どのように睡眠をとればいいのでしょうか。本書では、8時間の睡眠が最適だと主張しています。その理由は、2つあります。

1つ目は、アデノシンを完全にリセットするためです。アデノシンは、8時間寝ないと十分に排出されないという研究結果があります。アデノシンが脳に残っていると、睡眠不足の状態になります。睡眠不足は、慢性的な疲労や健康リスクを引き起こします。ですから、アデノシンをリセットするためにも、8時間寝ることが大切です。

2つ目は、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスをとるためです。睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があり、90分ごとに交互にやってきます。レム睡眠は、脳が活発で夢を見る浅い眠りです。ノンレム睡眠は、脳が静かで深い眠りです。どちらも重要で、記憶の定着や整理に関係しています。

レム睡眠とノンレム睡眠の割合は、睡眠時間によって変わります。睡眠時間が短いと、ノンレム睡眠の割合が多くなります。睡眠時間が長いと、レム睡眠の割合が多くなります。つまり、8時間寝ることで、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスがとれるということです。

しかし、8時間も寝る時間がないという方も多いでしょう。そんな方は、最低でも7時間以上は寝るようにしましょう。本書では、睡眠時間が7時間以下になると、健康に悪影響が出ると言っています。できれば、8時間寝ることをおすすめしますが、無理ならば、少なくとも7時間は確保するように心がけてください。また、寝る前の準備や、寝る環境も大切です。寝る前にスマホやパソコンを見ない、部屋を暗くして涼しくする、などの工夫をして、質の高い睡眠をとりましょう。

最後に

 睡眠の重要性や睡眠の役割、理想的な睡眠時間や睡眠の質を向上させる方法などを、わかりやすく説明してみました。 睡眠は人間の健康やパフォーマンスに大きな影響を与えるものです。 日常生活で睡眠を意識することは、予防医学としても有効です。 ぜひ、睡眠の質を高めるためのテクニックを参考にして、快適な睡眠生活を送ってください。